Gemma 4にはE2B、E4B、26B、31Bだけでなく、公式資料に12Bも含まれます。EやAを含む名前は埋め込み規模や有効化パラメータを示すもので、重みのサイズを直接表すものではありません。
本記事では、Googleの概算推論メモリ、特定のGGUFファイルサイズ、実際のバックエンドで測ったピークVRAMを分けて扱います。自分のPCで必要な容量を答えられるのは最後の実測値だけです。
各モデルの位置付け
| モデル | 主な用途 | ローカル導入の目安 |
|---|---|---|
| E2B | 軽量・エッジ | 一般向け端末で最も試しやすい |
| E4B | 軽量な汎用処理 | 8~12GB GPUで検討しやすい |
| 12B | 中規模タスク | 量子化版を12~24GB環境で試す |
| 26B A4B | MoE効率の検証 | A4Bだけでなく総重みを見る |
| 31B | 大きなDenseモデル | 24GB単体では量子化と短いコンテキストが必要 |
アーキテクチャ、入力モダリティ、最大コンテキストは公式モデルカードで確認してください。
VRAM表が出発点にすぎない理由
Googleの近似値は重みの規模を示すもので、すべての実行時コストを含みません。GGUFでは次の条件も影響します。
- Q4_K_M、Q5_K_M、Q6_K、Q8_0の実効ビット数
- KV cacheの型とコンテキスト長
- 同時実行数とバッチサイズ
- GPU offloadするレイヤー数
- 画像エンコーダーや
mmproj - llama.cpp、Ollamaのバージョン
9GBのGGUFだから9GBのVRAMで足りる、とは限りません。
コンシューマーGPUでの選定目安
| VRAM | 最初に試す候補 | 注意点 |
|---|---|---|
| 6~8GB | E2B/E4Bの低量子化 | KV cache分を残す |
| 12GB | E4B、12B Q4 | 全GPU配置はファイルと文脈次第 |
| 16GB | 12B Q4/Q5、26B低量子化+offload | RAMと速度を確認 |
| 24GB | 12B高精度、26B/31B Q4 | 長文ではOOMの可能性 |
| 32GB以上 | 26B/31Bの高精度量子化 | バックエンドごとに実測 |
対応ファイルやバックエンドが存在しない段階で、計算値だけから「導入可能」と断定しないでください。
間違ったモデルをダウンロードしない方法
- Google公式Gemmaページからモデルカードを開く。
baseとitを区別する。- GGUF変換元を公式重みまでたどる。
- ファイル名、量子化、全シャード、SHA-256を保存する。
- Gemmaライセンスが用途と再配布を許すか確認する。
|
|
llama.cppでの実測手順
対応バージョンを使い、4K・単一リクエストから開始します。
|
|
|
|
モデルバッファ、KV cache、計算バッファ、offloadレイヤー数を記録します。モデルや量子化を変えずに8Kでも再測定してください。
結果の読み方
- 起動時OOM:文脈と同時実行を下げ、次に小さい量子化を試す。
- 読み込めるが遅い:CPU offload量を確認する。
- 出力形式が壊れる:tokenizerとchat templateを確認する。
- 画像入力が失敗:モデル、投影ファイル、バックエンドの対応を確認する。
- 同じ量子化で差が出る:バックエンド、KV型、offload設定を比較する。
導入前に4種類の資源を確認する
|
|
AdapterRAMは誤表示される場合があるため、nvidia-smiでも確認します。RAMはCPU側の重み、OS、バッファを収容できる必要があります。複数の量子化や分割ファイルを保存するディスク容量も必要です。
5モデルを実機でどう使い分けるか
E2B:互換性確認を優先
Gemma 4の認識、chat template、ローカルAPIを確認する最初のモデルに適します。E2BでもCPUのみなら、先にGPUバックエンドやドライバーを修正します。
E4B:8~12GBの実用的な出発点
会話、要約、分類、軽いコード作業向けです。Q4/Q5・4Kから始め、Q6/Q8の品質向上が容量増に見合うか比較します。
12B:KV cacheの余裕を残す
12GB GPUではQ4でも上限に近づくことがあります。デスクトップと実行時バッファ用に1~2GB程度を残し、2K/4Kから始めます。Q5でCPU offloadが発生するなら、Q4の方が快適な場合があります。
26B A4B:有効化パラメータはロード容量ではない
A4Bは4Bモデル相当のVRAMを意味しません。MoE対応と専門家重みの正しいロードをログで確認します。
31B:速度の合格基準を決める
24GB単体では量子化と文脈制限が一般的です。最初のtokenまでの時間と最低tokens/sを先に定め、「ロードできた」だけで合格にしないでください。
GGUFファイル名から確認する項目
|
|
base/it、規模、完全な量子化名、全分割、変換元、合計サイズを確認します。異常に小さいファイルはmmproj、LoRA、索引、最初の分割だけかもしれません。
メタデータでモデルを確認する
ロードログでアーキテクチャ、tokenizer、chat template、コンテキスト、全シャードを確認します。unknown tensorやunsupported architectureが出たら停止し、バックエンドを更新してください。
コンテキストを段階的に試す
| 回 | コンテキスト | 同時実行 | 確認点 |
|---|---|---|---|
| 1 | 2048 | 1 | 安定してロードできるか |
| 2 | 4096 | 1 | 日常利用の速度とVRAM |
| 3 | 8192 | 1 | KV cache増加量 |
| 4 | 8192 | 2 | 同時実行の負荷 |
| 5 | さらに長い文脈 | 1 | 必要な場合のみ |
各回でサービスを再起動し、KV cache型も記録します。
GPU offloadを段階的に調整する
|
|
GPU/RAMピーク、prompt処理、生成速度、初回token、ページングを記録します。大量のページングが起きたら、より小さいモデルか低量子化を選びます。
複数GPUは単純な容量の足し算ではない
分割方式、GPU性能差、PCIe構成が影響します。
|
|
カード間転送で遅くなる場合は、単一GPU+少量CPU offloadの方が簡単です。
Web UIだけでなくAPIを検証する
|
|
|
|
HTTP状態、モデル名、回答、サーバーログを確認します。
よくある選択の疑問
12GBならE4Bと12Bのどちらか
速度や長文を優先するならE4B、短い文脈で品質を比べたいなら12B Q4を試します。
24GBで31Bを選べるか
Q4・短文脈は試せますが保証ではありません。ファイル、ログ、ピークVRAMを確認します。
同じQ4でサイズが違う理由
混合精度、グループ方式、メタデータで実効ビット数が変わるため、完全な量子化名を記録します。
ロード後もVRAMが増える理由
KV cache、同時実行、画像入力が増えるため、待機時と最長リクエスト時を分けて測ります。
再現可能なGemma実測記録
|
|
Googleと推論バックエンドの資料
Gemma-4-31B-it のような名前を読む
Gemma-4 はファミリーと世代、31B は総パラメータがおよそ 310 億であることを示します。実行時に必ず 31GB を使う、または各 token で全パラメータを使うという意味ではありません。it は通常 instruction-tuned で、指示、質問応答、会話向けに調整済みです。チャット、要約、コード支援、Agent には -it を選び、base checkpoint は追加学習や研究に使います。
Q4_K_M、Q8_0、BF16、GGUF などの量子化、精度、形式の接尾辞は、ファイルサイズ、対応バックエンド、メモリへ直接影響します。公式の型番表と合わない名前は、ファイル名だけで判断せず、model card、所有者、metadata を確認してください。
ノート PC の設定と受け入れテスト
ノート PC では VRAM に加え、共有メモリ、冷却、持続電力が制約になります。16GB RAM で単体 GPU がない場合は、低ビットの E2B/E4B と 4K context から始めます。8GB VRAM は E4B Q4 の検証、12–16GB VRAM は 12B Q4 を慎重に試す目安です。Apple Silicon は unified memory のため、macOS とアプリに数 GB を残します。
最初の実行では GPU を使うブラウザや動画アプリを閉じ、電源を接続して温度を確認します。32K/128K context から始めないでください。KV cache は context とともに増え、ロードできても長い prompt でメモリ不足になります。
|
|
完全なモデルタグ、量子化、context、backend、first-token latency、生成速度、peak memory を記録します。CPU-only で返答できても対話速度の保証にはなりません。thermal throttling、swap、速度不足が起きたら、モデル、量子化負荷、context を下げます。新設定が同じテストを通るまで、元のモデルまたは Modelfile を残してください。