Synology DSM 7.3 で Syncthing を導入する場合は、Container Manager(Docker)で実行する方法がおすすめです。アップグレード、移行、再作成が整理しやすくなり、設定ディレクトリと同期対象の共有フォルダも分けて管理できます。
Syncthing は NAS 上の共有フォルダを読み書きする必要があります。導入時につまずきやすいのはイメージそのものではなく、実行ユーザーの権限とボリュームマッピングです。コンテナは正しい PUID、PGID で起動し、Web UI で指定する同期パスはコンテナ内のパスである必要があります。
事前準備
まず SSH で Synology にログインし、Syncthing を実行するユーザー ID を確認します。
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出力に含まれる uid と gid を控えておきます。一般的には uid が 1026 前後、gid が 100 になることが多いです。後でそれぞれ PUID と PGID に設定します。
次に File Station で docker 共有フォルダを開き、次のディレクトリを作成します。
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このディレクトリには Syncthing の設定ファイル、データベース、実行状態が保存されます。後でコンテナを作り直す場合でも、このディレクトリが残っていれば設定を引き継げます。
Syncthing イメージをダウンロードする
Synology の Container Manager を開き、左側の「レジストリ」に入り、次を検索します。
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公式イメージ syncthing/syncthing を選び、タグは latest を使用します。ダウンロードが完了したら「イメージ」に移動し、syncthing/syncthing を選択して「実行」をクリックします。
コンテナを作成する
コンテナ名はそのまま次のように設定できます。
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NAS の再起動後に Syncthing が自動で復帰するよう、「自動再起動を有効にする」も有効にしておくとよいです。
環境変数を設定する
詳細設定の環境変数エリアで、次を追加または変更します。
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PUID と PGID は、前の手順で id username により確認した実際の値に置き換えてください。Syncthing が共有フォルダを読み書きするとき、このユーザーとして Synology のファイルシステムにアクセスします。
ポートを固定する
アクセスやトラブルシューティングをしやすくするため、ポートマッピングは手動で固定しておくのがおすすめです。
| コンテナポート | ローカルポート | プロトコル | 用途 |
|---|---|---|---|
8384 |
8384 |
TCP | Web 管理画面 |
22000 |
22000 |
TCP | 同期データ転送 |
22000 |
22000 |
UDP | QUIC データ転送 |
21027 |
21027 |
UDP | LAN 内探索 |
Synology のファイアウォールを有効にしている場合は、これらのポートも許可してください。LAN 内だけで使う場合でも、少なくとも 8384 に自分の PC からアクセスできる必要があります。
ボリュームマッピングを設定する
ボリュームマッピングは 2 種類あります。Syncthing 自身の設定ディレクトリと、同期したい Synology の共有フォルダです。
設定ディレクトリは次のようにマッピングします。
| Synology ホストパス | コンテナ内マウントパス |
|---|---|
/docker/syncthing |
/var/syncthing |
続いて、同期したいデータディレクトリを追加します。たとえば Synology 上の /volume1/NasData を同期したい場合は、次のようにマッピングします。
| Synology ホストパス | コンテナ内マウントパス |
|---|---|
/volume1/NasData |
/NasData |
ここは特に重要です。後で Syncthing の Web UI でフォルダを追加するときに入力するのは、次のようなコンテナ内パスです。
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Synology のホストパス /volume1/NasData は入力しません。Syncthing はコンテナ内で動作しているため、コンテナにマウントされたパスだけを認識できます。
複数の共有フォルダを同期したい場合は、追加でマッピングします。
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起動してアクセスする
環境変数、ポート、ボリュームマッピングを確認したら、「完了」をクリックしてコンテナを起動します。
その後、ブラウザで次のアドレスを開きます。
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Syncthing の管理画面に入ったら、最初に Web 管理画面のユーザー名とパスワードを設定します。場所は次のとおりです。
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パスワード未設定の Syncthing 管理画面を LAN 内に長時間公開したままにしないでください。
同期フォルダを追加する
「Add Folder」をクリックし、「Folder Path」に前の手順で設定したコンテナ内パスを入力します。
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権限設定が正しければ、Syncthing はこの共有フォルダを読み書きできます。その後、リモートデバイスを追加し、共有するフォルダを選択すれば同期を開始できます。
まとめ
Synology DSM 7.3 で Syncthing を導入する際の要点は 3 つです。
- Container Manager で
syncthing/syncthingを実行する。 - 正しい
PUIDとPGIDを使い、共有フォルダの読み書き権限を解決する。 - Syncthing の Web UI では Synology のホストパスではなく、コンテナ内パスを使う。
この 3 点を正しく設定できれば、Syncthing は Synology 上で安定して動作し、後から同期ディレクトリを増やすのも簡単です。