Jimmy はノート変換ツールだ。目的は、さまざまなノートアプリや文書形式の内容を Markdown に変換することにある。閉じたアプリからノートを移し、Obsidian や Joplin に入れたい人、または長期保存用に純テキストとして残したい人に向いている。
プロジェクト文書での位置づけは明快だ。元のノートアプリからデータをエクスポートまたはバックアップし、jimmy で変換し、その結果を Joplin や Obsidian にインポートする。あるいは VSCode などのテキストエディタで直接見る。
Jimmy が解決する問題
多くのノートアプリには独自のエクスポート形式がある。アプリを乗り換えるときに面倒なのは、本文だけではない。画像、添付ファイル、タグ、内部リンク、front matter などの構造化情報も問題になる。
Jimmy はこれらのエクスポートデータを、できるだけ汎用的な Markdown ディレクトリに整理する。
- ノート本文を Markdown に変換する。
- 画像、リソース、添付ファイルをできるだけ保持する。
- タグ、外部リンク、ノート内部リンクをできるだけ保持する。
- Markdown + front matter を出力する。
- 結果は Joplin、Obsidian などにインポートでき、テキストエディタでも直接読める。
この種のツールの意味は、移行コストを下げることにある。ノートが Markdown になれば、特定アプリに強く縛られなくなる。バックアップ、検索、バージョン管理、LLM 処理もかなり簡単になる。
多くのノートアプリをサポート
Jimmy は幅広い入力元をサポートしている。Anki、Anytype、Bear、CherryTree、ColorNote、Day One、Diaro、Drafts、Dynalist、Evernote、Google Docs、Google Keep、Joplin、Notion、Obsidian、OneNote、QOwnNotes、RedNotebook、Reflect、Roam Research、Signal、Simplenote、Standard Notes、Synology Note Station、Telegram、Tiddlywiki、Turtl、UpNote、Wordpress、Zim、Zoho Notebook などが含まれる。
ただし、すべての入力元で変換品質が完全に同じとは限らない。実際に移行する場合は、まず少量のノートで試し、画像、添付ファイル、タグ、内部リンク、日付フィールドを重点的に確認した方がよい。
通常の文書も変換できる
ノートアプリのエクスポートだけでなく、Jimmy は一般的な文書形式も扱える。文書では、単一ファイルの変換だけでなく、フォルダ全体の再帰的な変換にも触れている。雑然とした資料フォルダを Markdown に整理する用途にも使える。
主な対応形式は次の通り。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| オフィス文書 | DOCX、ODT、RTF |
| マークアップ言語 | Asciidoc、DocBook、Markdown、MediaWiki、reStructuredText |
| Web と電子書籍 | HTML、MHTML、EPUB |
| データと構造化ファイル | CSV、OPML、Jupyter Notebook |
| その他 | PDF、EML、Fountain、txt2tags |
DOCX、PDF、HTML をまとめて Markdown にしたいだけでも、Jimmy はオフラインのバッチ処理ツールとして使える。
2つの使い方
Jimmy は CLI と TUI の2種類のインターフェースを提供する。
| インターフェース | 向いている場面 | 説明 |
|---|---|---|
| CLI | バッチ処理、スクリプト、完整機能 | フォルダ一括変換、移行スクリプト、入力形式指定に向く |
| TUI | 対話的な変換 | 手動操作に向く。現時点では beta 状態の機能サブセット |
公式 README の Linux 例は次の通り。
|
|
これらのコマンドから分かるように、Jimmy は特定のノートアプリだけを対象にしていない。「ノートのエクスポートパッケージ」と「通常の文書フォルダ」を同じ変換フローに入れている。
主な特徴
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| オフライン実行 | 変換はクラウドサービスに依存せず、個人ノートの処理に向く |
| オープンソース | リポジトリは GPL-3.0 license を採用 |
| クロスプラットフォーム | Linux、Windows、macOS の公式ダウンロードを提供 |
| 単体バイナリ | Docker、Python、Node.js の追加インストールを要求しない |
| AI を使わない | 変換過程で AI を呼び出さず、結果を制御しやすく、プライバシー面でも安心しやすい |
| Markdown + front matter | ノートアプリへのインポートや Git 管理に向く |
「オフライン」と「AI を使わない」は、ノート移行では特に重要だ。ノートには個人情報、仕事資料、古い添付ファイルが含まれがちなので、変換をローカルで完結できるとリスク境界が分かりやすい。
誰に向いているか
Jimmy は次のような人に向いている。
- Evernote、Notion、OneNote、Google Keep などから Markdown に移行したいユーザー。
- ノートを Obsidian、Joplin、または他の純テキストワークフローに入れたい人。
- 長期資料を将来読みやすい形式で保存したい人。
- ノートや文書を LLM が処理しやすいテキストに整えたい人。
- DOCX、PDF、HTML、ODT などのフォルダを再帰的に変換したい人。
一方で、「ワンクリックで完璧に移行」したい人には必ずしも向かない。ノートアプリごとにエクスポート形式は大きく異なり、複雑なページ、データベース、埋め込み内容、内部リンクは手動確認が必要になることがある。
移行前の確認手順
本格的に移行する前に、次の順番で進めるのがよい。
- 元のノートアプリから少量のサンプルをエクスポートする。
- いきなり全ノートを変換せず、まず Jimmy でサンプルを変換する。
- Markdown 本文、画像、添付ファイル、タグ、作成時刻、内部リンクを確認する。
- Obsidian や Joplin などの移行先アプリが、ディレクトリ構造と front matter を正しく認識できるか確認する。
- 完整なエクスポートパッケージを変換する。
- 元のエクスポートパッケージと変換結果を残し、問題がないと確認してから整理する。
少し遅く見えるが、移行後に添付ファイルの欠落、リンク切れ、タグ構造の崩れに気づくよりずっと安全だ。
私の見方
Jimmy の価値は、ノート移行を「特定アプリのインポーターに頼る」ものから、「まず汎用 Markdown に変換する」ものへ変える点にある。対応元が多く、出力も十分汎用的なので、個人の知識ベースを閉じた形式から解放しやすい。
たまに1、2件のノートをエクスポートするだけなら不要かもしれない。しかし、長年のノート、添付ファイル、文書フォルダがあり、Obsidian、Joplin、Git 管理の Markdown ワークフローへ移行したいなら、Jimmy は試す価値がある。移行の中間層として使うのが向いている。まずデータを読みやすく、バックアップしやすく、バッチ処理しやすいテキストに変え、その後どのノートシステムに入れるかを決めればよい。
プロジェクトリンク:marph91/jimmy
ドキュメントリンク:Jimmy - Note Conversion Tool