AMDのデスクトップ向けチップセットは、X、B、Aという文字だけでは順位付けできません。
同じBシリーズでも、B350、B550、B650、B850はソケットもI/O世代も異なります。PCIe 4.0という表記も、CPU直結レーンだけを指すのか、チップセット配下まで対応するのかを区別する必要があります。
マザーボードの拡張性を左右する主な仕様は次のとおりです。
- CPU直結グラフィックスレーンの世代と分割方式
- CPU直結NVMeレーン
- CPUとチップセット間のアップリンク
- チップセットが提供する汎用PCIeレーン
- PCIeとSATAの共有関係
- USB 20Gbps、10Gbps、5Gbps、USB4の数
- CPUおよびメモリーのオーバークロック対応
- マザーボードメーカーが実装した実際のレーン配分
本記事では、AM4の300、400、500シリーズと、AM5の600、800シリーズを仕様面から比較します。
まず3種類のPCIeレーン表記を理解する
チップセット仕様で混同されやすいのが、総レーン、利用可能レーン、チップセットレーンです。
CPU直結レーン
CPU直結レーンはチップセットを経由せず、通常はグラフィックススロット、最初のM.2 NVMe、CPUとチップセットの接続に割り当てられます。
典型的なAM4 RyzenデスクトップCPUは次のように単純化できます。
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APU、Athlon、OEM向けCPUではレーン数や速度が減る場合があり、この典型構成をすべてのAM4 CPUに適用することはできません。
チップセット配下レーン
チップセットは1本のアップリンクでCPUに接続し、追加のPCIe、SATA、USBを提供します。
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チップセット配下のすべてのデバイスはアップリンクを共有するため、複数のインターフェースを同時に高負荷で使うと帯域を奪い合います。
プラットフォーム総レーンと利用可能レーン
AMD公式表のPCIe Lanes (Total/Usable)はプラットフォーム全体の値です。CPUとチップセットの資源を合算し、周辺機器に直接割り当てられないレーンを差し引いています。
たとえばB550の38/30は、B550チップ自体が30レーンを提供するという意味ではありません。
実際のマザーボードではEthernet、Wi-Fi、オーディオ、追加コントローラーにもレーンを使うため、ユーザーが利用できるスロットはさらに少なくなります。
AMDチップセット世代の概要
| ソケット | シリーズ | 代表モデル | CPU直結の最大世代 | チップセットアップリンク | チップセット側の主世代 |
|---|---|---|---|---|---|
| AM4 | 300 | X370、B350、A320 | PCIe 3.0 | PCIe 3.0 x4 | 主にPCIe 2.0 |
| AM4 | 400 | X470、B450 | PCIe 3.0 | PCIe 3.0 x4 | 主にPCIe 2.0 |
| AM4 | 500 | X570 | PCIe 4.0 | PCIe 4.0 x4 | PCIe 4.0 |
| AM4 | 500 | B550 | CPU直結はPCIe 4.0対応可 | PCIe 3.0 x4 | PCIe 3.0 |
| AM4 | 500 | A520 | PCIe 3.0 | PCIe 3.0 x4 | PCIe 3.0 |
| AM5 | 600 | X670E、X670、B650E、B650、A620 | PCIe 4.0/5.0 | PCIe 4.0 x4 | PCIe 4.0と構成可能I/O |
| AM5 | 800 | X870E、X870、B850、B840 | PCIe 4.0/5.0 | PCIe 4.0 x4 | PCIe 4.0と構成可能I/O |
最大世代は搭載CPUにも依存します。また、チップセット側の世代が、マザーボード上の全スロットの速度を保証するわけではありません。
AM4 300シリーズ:X370、B350、A320
300シリーズは第1世代Ryzenとともに登場し、初代Promontoryアーキテクチャを採用しています。
- X370は上位向けでグラフィックスレーン分割に対応
- B350はメインストリーム向けでCPUオーバークロックに対応
- A320はエントリー向けでCPUオーバークロック非対応
公式プラットフォーム仕様
| モデル | USB総数 | USB 10Gbps | 最大SATA | CPUグラフィックス | CPU NVMe | 世代 | 総/利用可能レーン | CPU OC |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| X370 | 18 | 2 | 10 | 1×16または2×8 | 1×4 | PCIe 3.0 | 40/32 | 対応 |
| B350 | 14 | 2 | 6 | 1×16 | 1×4 | PCIe 3.0 | 36/28 | 対応 |
| A320 | 13 | 1 | 6 | 1×16 | 1×4 | PCIe 3.0 | 32/24 | 非対応 |
最大SATA数はCPU側の資源も含むプラットフォーム上限であり、チップセット固定SATAポート数ではありません。
X370のレーン特性
X370はCPUグラフィックスレーンを2×8に分割できるため、初期のデュアルGPU対応ボードは主にX370でした。
チップセットの汎用レーンは主にPCIe 2.0です。グラフィックスと最初のNVMeがPCIe 3.0でも、2番目のM.2やx1スロットはGen2に制限される場合があります。
よくある共有関係は次のとおりです。
- 2番目のフルレングススロットがCPUグラフィックスレーンを使用
- チップセット接続M.2が一部SATAと排他
- x1スロットがオンボードコントローラーとレーンを共有
- 特定M.2の使用時に1~2個のSATAが無効化
B350とA320
B350はCPUオーバークロックに対応し、A320より利用可能なプラットフォームレーンが多くなっています。
A320はCPUオーバークロックと2×8分割に非対応で、USB 10Gbpsと利用可能PCIeも少なめです。
グラフィックス1枚、NVMe 1台、少数のSATAならA320でも足りますが、2台目のSSDや追加コントローラーにはB350の方が余裕があります。
AM4 400シリーズ:X470、B450
X470とB450もPCIe 3.0 x4アップリンクを使い、チップセット汎用レーンは主にPCIe 2.0です。
I/Oの大幅増加より、プラットフォーム成熟度、BIOS、メモリー互換性、機能更新が中心です。
公式プラットフォーム仕様
| モデル | USB総数 | USB 10Gbps | 最大SATA | CPUグラフィックス | CPU NVMe | 世代 | 総/利用可能レーン | CPU OC |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| X470 | 18 | 2 | 10 | 1×16または2×8 | 1×4 | PCIe 3.0 | 40/32 | 対応 |
| B450 | 14 | 2 | 6 | 1×16 | 1×4 | PCIe 3.0 | 36/28 | 対応 |
X470とB450の選択
X470は2×8 CPUグラフィックスレーンをサポートし、利用可能レーンとSATA上限も高いため、2本のフルレングススロット、2基のM.2、多数のコントローラーを実装しやすくなります。
B450は低コストでCPUとメモリーのオーバークロックを維持します。グラフィックス1枚、CPU直結NVMe 1台、チップセット接続M.2 1台、SATA 4~6台なら通常十分です。
共通の制限はチップセット側Gen2で、2台目のM.2、2.5GbE、追加USB、x1スロットが限られた帯域を共有します。
AM4 500シリーズ:X570、B550、A520
500シリーズは単純な上・中・下位ではなく、3種類のPCIe構成です。
| モデル | CPU直結の主世代 | チップセットアップリンク | チップセット配下の主世代 |
|---|---|---|---|
| X570 | PCIe 4.0 | PCIe 4.0 x4 | PCIe 4.0 |
| B550 | グラフィックスとNVMeはPCIe 4.0対応可 | PCIe 3.0 x4 | PCIe 3.0 |
| A520 | PCIe 3.0 | PCIe 3.0 x4 | PCIe 3.0 |
公式プラットフォーム仕様
| モデル | USB総数 | USB 10Gbps | 最大SATA | CPUグラフィックス | CPU NVMe | 世代 | 総/利用可能レーン | CPU OC |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| X570 | 16 | 12 | 14 | 1×16または2×8 | 1×4 | PCIe 4.0 | 44/36 | 対応 |
| B550 | 14 | 6 | 8 | 1×16または2×8 | 1×4 | グラフィックス、NVMeはGen4対応可 | 38/30 | 対応 |
| A520 | 13 | 5 | 6 | 1×16 | 1×4 | PCIe 3.0 | 34/26 | 非対応 |
APUは通常のRyzenデスクトップCPUとPCIe世代やレーン構成が異なる場合があるため、CPUと合わせて判断します。
X570:チップセット側もGen4
X570はPCIe 4.0 x4アップリンクを使い、配下にもPCIe 4.0資源を提供できます。
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X570は44/36レーン、最大14 SATAで、AM4では高速USB上限も最大です。
一方、チップセット消費電力と冷却要求は高めです。初期製品ではファンが一般的でしたが、X570Sではパッシブ冷却が増えました。
B550:CPUはGen4、チップセットはGen3
B550の全インターフェースがPCIe 4.0なのではありません。
- 対応CPUのグラフィックスx16はGen4動作可能
- CPU直結NVMe x4はGen4動作可能
- CPUからB550へのアップリンクはGen3 x4
- B550配下は主にGen3
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B550は38/30レーン、最大8 SATAで、2×8分割とCPUオーバークロックに対応します。
X570のGen4チップセットレーンはありませんが、通常は消費電力、コスト、冷却要求が低くなります。
A520:全体がGen3
A520はPCIe 3.0までで、2×8分割とCPUオーバークロックには対応しません。
34/26レーン、最大6 SATA、13 USB、最大5 USB 10Gbpsを提供します。
CPU直結NVMeはPCIe 3.0 x4で動作でき、チップセット側も300/400シリーズのGen2 GPPより高速です。
主な削減点はGen4、CPUオーバークロック、2×8分割、追加I/Oです。
B550Aと通常のB550は異なる
B550Aは通常のリテールB550の単なる別名ではありません。
AMDはB550AをPCIe 3.0、40/32レーン、最大10 SATAのプラットフォームとしており、OEM向けPromontory-LPに近い位置付けです。
したがって、B550A搭載PCにリテールB550のCPU直結Gen4仕様をそのまま適用できません。
PRO 500、PRO 560、PRO 565などもUSB、SATA、オーバークロック、CPU対応範囲が異なるため、正確な型番を確認してください。
AM5 600シリーズの仕様
AM5はDDR5へ移行し、CPU直結PCIe 5.0を導入しました。E接尾辞は、より包括的なGen5要件を表します。
| モデル | CPUグラフィックス | CPU NVMe/GPP | 利用可能/Gen5レーン | CPU OC | メモリーOC | USB 20G | USB 10G | SATAまたはPCIe 3.0 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| X670E | 1×16または2×8 Gen5 | 1×4 Gen5 + 4 GPP | 44/24 | 対応 | 対応 | 2 | 12 | 8 |
| X670 | 1×16または2×8 Gen4 | 1×4 Gen5 + 4 GPP | 44/8 | 対応 | 対応 | 2 | 12 | 8 |
| B650E | 1×16または2×8 Gen5 | 1×4 Gen5 + 4 GPP | 36/24 | 対応 | 対応 | 1 | 6 | 4 |
| B650 | 1×16または2×8 Gen4 | 1×4 Gen4、Gen5は任意 | 36/0 | 対応 | 対応 | 1 | 6 | 4 |
| A620 | 1×16 Gen4 | 1×4 Gen4 | 32/0 | 非対応 | 対応 | 0 | 2 | 4 |
Gen5数はプラットフォームの最大能力で、すべてのレーンがスロットとして実装される意味ではありません。
X670EとX670
どちらも44本の利用可能レーンと、最大8個のSATA/PCIe 3.0構成可能ポートを備えます。
X670EはGen5グラフィックスとGen5 NVMeを要求し、最大24 Gen5レーンです。X670はグラフィックスが最低Gen4で、最大8 Gen5レーンです。
X670ファミリーは通常、2基のPROM21をカスケード接続します。
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2基目の配下デバイスは1基目を経由してCPUへ到達するため、帯域や遅延に敏感な機器はCPU直結または1基目に配置される傾向があります。
B650EとB650
どちらもCPU、メモリーのオーバークロックに対応し、36本の利用可能レーンを提供します。
B650EはGen5グラフィックスとNVMeを要求し、最大24 Gen5レーンです。B650はGen4グラフィックスで、Gen5 NVMeの実装は任意です。
AMD表でB650の保証Gen5数が0なのは、仕様上必須でないという意味であり、すべてのB650にGen5 M.2がないという意味ではありません。
A620
A620はGen4 x16グラフィックスとGen4 x4 NVMeを提供します。CPUオーバークロックは非対応ですが、DDR5メモリーオーバークロックとEXPOには対応します。
B650よりレーン、USB 10Gbps、分割機能が少なく、USB 20Gbpsもありません。
AM5 800シリーズの仕様
800シリーズはAM5とDDR5を継続し、Gen5、USB4、オーバークロックの階層を再編しています。
| モデル | CPUグラフィックス | CPU NVMe/GPP | 利用可能/Gen5レーン | CPU OC | メモリーOC | USB 20G | USB 10G | SATAまたはPCIe 3.0 | USB4 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| X870E | 1×16または2×8 Gen5 | 1×4 Gen5 + 4 GPP | 44/24 | 対応 | 対応 | 2 | 12 | 8 | 標準 |
| X870 | 1×16または2×8 Gen5 | 1×4 Gen5 + 4 GPP | 36/24 | 対応 | 対応 | 1 | 6 | 4 | 標準 |
| B850 | 1×16または2×8 Gen4 | 1×4 Gen5 | 36/4 | 対応 | 対応 | 1 | 6 | 4 | 任意 |
| B840 | 1×16 Gen4 | 1×4 Gen4 | 34/0 | 非対応 | 対応 | 0 | 2 | 4 | 任意 |
X870EとX870
X870Eは44本の利用可能レーン、最大24 Gen5レーン、8個のSATA/PCIe 3.0構成可能ポートを備えます。
X870は36本、最大4個の構成可能ポートですが、Gen5グラフィックスとNVMeを要求します。
どちらもUSB4が標準要件で、600シリーズとの最も分かりやすい違いです。
USB4コントローラーはPCIeと表示資源を使うため、M.2、グラフィックス分割、他スロットの状態が変わる場合があります。
B850とB840
B850はCPUとメモリーのオーバークロックに対応し、グラフィックスはGen4、NVMeはGen5 x4で、最大4 Gen5レーンです。
B840はCPUオーバークロック非対応で、メモリーのみ対応します。グラフィックスとNVMeは主にGen4で、Gen5要件はありません。
B850はUSB 20Gbpsと10Gbpsの上限も高くなります。USB4は両方とも任意で、型番だけでは保証されません。
世代をまたいでX、B、Aを単純比較できない
文字は同一世代内の位置付けを示すだけです。
X570とX670/X870
X570はAM4、DDR4ですが、チップセット側PCIe 4.0は強力です。
X670とX870はAM5、DDR5へ移行し、CPU直結Gen5と新しいUSB要件を導入しています。
チップセット側Gen4だけならX570も劣りません。CPU Gen5、DDR5、将来のCPU対応ではAM5が有利です。
B550とB650/B850
B550はCPU直結Gen4とチップセットGen3の組み合わせです。
B650とB850はAM5でチップセットI/OがGen4になり、B650のGen5 NVMeは任意、B850はGen5 x4 NVMeを明示します。
A520とA620/B840
A520はAM4 Gen3、A620とB840はAM5で、グラフィックスとNVMeが少なくともGen4になり、DDR5メモリーOCに対応します。
いずれもCPUオーバークロック非対応ですが、I/O世代は大きく異なります。
SATA数が製品仕様と異なる理由
AMD公式値はプラットフォーム最大、またはSATA (or PCIe 3.0)の構成可能数です。
実際のポートが少なくなる理由は次のとおりです。
- CPUのSATA/PCIe資源をM.2に使用
- ComboレーンをPCIeとして構成
- M.2が2個のSATAと共有
- Ethernet、Wi-Fi、追加USBがレーンを使用
- 基板サイズとコストの制約
- AM5の一部レーンがSATAとPCIe 3.0の排他
マニュアルには次のような記述があります。
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これはレーン共有の結果で、BIOS障害ではありません。
USB仕様は速度別に確認する
「USB 14ポート」だけでは高速ポート数は分かりません。
USB 2.0、5Gbps、10Gbps、20Gbps、USB4を個別に数えます。
Type-Cはコネクター形状にすぎず、速度は5GbpsからUSB4まであり、映像出力やUSB PDも必ずしも対応しません。
Type-AとType-Cの数だけでなく、各物理ポートの速度を確認してください。
CPUとメモリーのオーバークロックを分ける
| プラットフォーム階層 | CPU OC | メモリーOC |
|---|---|---|
| AM4 X/Bシリーズ | 通常対応 | 通常対応 |
| AM4 Aシリーズ | 非対応 | チップセットとBIOSによる |
| AM5 X/B主流モデル | 対応 | 対応 |
| AM5 A620/B840 | 非対応 | EXPO/メモリーOC対応 |
チップセットが対応しても、マザーボードの電源回路が高消費電力CPUに適するとは限りません。
VRM、冷却、BIOS電力制限、CPUサポートリスト、メモリーQVLも確認します。
1×16と2×8の本当の意味
1×16/2×8はCPUグラフィックスレーンが分割可能という意味で、2本の電気的x8スロットを保証しません。
適切な配線、BIOS設定、対応CPUが必要です。
2番目の物理x16スロットが電気的にはチップセットx4だけの製品も多く、x16 physical, x4 electricalやPCIEX16_2 runs at x4を確認します。
用途別の選び方
グラフィックス1枚とNVMe 1台
AM4ならB450、B550、A520、AM5ならA620、B650、B840、B850で通常は対応できます。
Xシリーズを選ぶ前に、CPU互換性、最初のM.2世代、VRM、必要なUSBを優先してください。
高速NVMeを2~3台
次を確認します。
- CPU直結M.2の数
- チップセットアップリンクがGen3 x4かGen4 x4か
- 追加M.2のレーン数と世代
- M.2、SATA、PCIeスロットの共有
- 複数台同時負荷でアップリンクを共有するか
AM4ではX570、AM5ではB650/B850以上が複数の高速M.2を実装しやすくなります。
多数のSATA
プラットフォーム上限は次のとおりです。
- X370/X470:最大10
- X570:最大14
- B550:最大8
- X670E/X670/X870E:最大8個のSATAまたはPCIe 3.0構成可能ポート
- B650/B850/X870/A620/B840:通常最大4個
実製品は少ないことが多く、6~8ポートを超える場合はサードパーティ製コントローラーの有無も確認します。
USB4
X870EとX870はUSB4が標準です。
B850、B840、600シリーズではマザーボード設計に依存し、チップセット名だけでは判断できません。
CPUオーバークロック
A320、A520、A620、B840を避け、PBOや倍率設定の有無だけでなく電源回路も確認します。
よくある仕様の読み違い
B550の全インターフェースをGen4と考える
B550のGen4は主に対応CPUのグラフィックスとNVMeです。アップリンクとチップセット配下は主にGen3です。
プラットフォーム利用可能レーンをチップセットレーンと考える
38/30、44/36、36/24などはCPU資源を含み、チップセットポート数の直接計算には使えません。
X870がX670Eより全I/Oで多いと考える
X670Eは44レーン、最大8個のSATA/PCIe 3.0構成可能ポート、X870は36レーン、最大4個です。
X870はUSB4標準ですが、I/O総量が必ずX670Eを上回るわけではありません。
B650にはGen5 M.2がないと考える
B650はGen5を必須にしませんが、メーカーはCPU直結NVMeをGen5で実装できます。個別製品を確認してください。
AM5入門チップセットはメモリーOC不可と考える
A620とB840はDDR5メモリーOCに対応し、非対応なのはCPUオーバークロックです。
CPU固有の差を無視する
同じマザーボードでもAPUへ交換すると、グラフィックス、NVMeの世代や利用可能レーンが変わる場合があります。
最終判断は「対象CPU + 対象マザーボード」の組み合わせで行います。
まとめ
AMDチップセットの世代差は次のように整理できます。
- AM4 300/400シリーズはCPU直結Gen3、チップセット配下は主にGen2
- X570はアップリンクとチップセット配下をGen4へ引き上げる
- B550はCPU直結Gen4とチップセットGen3の組み合わせ
- A520はGen3を維持しながらレーン、オーバークロック、分割機能を削減
- AM5 600シリーズはDDR5、CPU直結Gen5、PROM21を導入
- AM5 800シリーズはGen5とUSB4要件を再編
- X、B、Aは同一世代内の階層であり、世代をまたぐ比較ではPCIe、SATA、USB、OC仕様を確認する
マザーボードを選ぶときは、まずCPU直結グラフィックスとNVMe、次にチップセットアップリンク、最後にM.2、SATA、USB、フルレングススロットの共有関係を確認します。
これにより、「総レーン」「Gen5 Ready」や物理x16スロットの表記に惑わされにくくなります。