Gemini 3.5 の新機能:Flash、Flash-Lite、Computer Use、Pro の現状

Google 公式情報を基に、Gemini 3.5 の新機能、利用可能なモデル、Computer Use、Flash-Lite、Flash Cyber、Gemini Spark、3.5 Pro の現状を整理します。

Gemini 3.5 はすでに噂だけのモデルではありません。Google は 2026 年 5 月 19 日に Gemini 3.5 Flash を正式発表し、6 月に Computer Use を統合、7 月に Gemini 3.5 Flash-Lite と防御用途の Gemini 3.5 Flash Cyber を追加しました。

ただし、Gemini 3.5 Pro はまだ一般提供されていません。Google の 7 月 21 日の発表でもパートナーとのテスト段階です。Cappuccino というコードネーム、匿名ベンチマーク、確定した公開日は製品情報として扱うべきではありません。

現在利用できるもの

製品 状態 主な用途
Gemini 3.5 Flash 正式提供 Agent、コーディング、マルチモーダル理解、長時間タスク
Gemini 3.5 Flash Computer Use 提供中 ブラウザー、モバイル、デスクトップの UI 操作
Gemini 3.5 Flash-Lite 正式提供 低遅延、高スループット、文書処理、subagent
Gemini 3.5 Flash Cyber CodeMender と共に発表 脆弱性の発見、検証、修正などの防御作業
Gemini 3.5 Pro パートナーテスト中 一般提供前

2026 年 7 月には Gemini 3.6 Flash が新しい主力 Flash になりました。新規プロジェクトでは 3.5 Flash だけでなく、3.6 Flash の品質、費用、ツール対応も比較してください。

新機能 1:Agent と長時間タスクへの最適化

Gemini 3.5 Flash はチャットの点数だけでなく、複数段階の作業を安定して完了する方向へ進みました。コーディング、ツール利用、タスク分解、長時間ワークフローが中心です。

リポジトリを調査してから編集とテストを行う、検索・コード実行・独自関数を組み合わせる、複数文書を解析して構造化結果を返す、抽出や検証を subagent に委任する、といった用途に向きます。

Agent 性能は権限制御の代わりにはなりません。ファイル書き込み、メッセージ送信、支払い、削除、本番操作にはツールの許可リスト、確認、復元可能な境界が必要です。

新機能 2:ワークフローに組み込むマルチモーダル

テキスト、画像、動画、音声、文書を同じタスクで扱えます。公式デモでは、複雑な図表や視覚素材からリッチなグラフィックやインタラクティブ UI を作る能力も示されています。

PDF と表のスクリーンショットを読み、項目を抽出して不整合を調べ、コード実行で計算し、構造化結果を返す流れを一つのモデルで構成できます。ただし OCR、図表理解、長い動画、スキーマ精度は自社データで測定してください。

新機能 3:主モデルに統合された Computer Use

Google は 6 月 24 日、Computer Use を Gemini 3.5 Flash の組み込みツールとして公開しました。スクリーンショットを読み、ブラウザー、モバイル、デスクトップでクリック、入力、スクロール、移動を提案できます。

通常は、画面と目標を送信し、モデルの提案を隔離クライアントで実行し、新しい画面と結果を返します。機密操作では人の確認を挟みます。

実際に操作するのは開発者側のクライアントです。アクセス可能なドメイン、ファイル、アカウントを制限し、Web ページ内のプロンプトインジェクションを想定してください。ログイン、購入、公開、削除、権限変更を自動承認してはいけません。

新機能 4:大規模処理向け Flash-Lite

安定版モデル ID は gemini-3.5-flash-lite です。入力上限は 1,048,576 tokens、最大出力は 65,536 tokens。テキスト、画像、動画、音声、PDF を入力し、テキストを出力します。

大量の文書解析、抽出、分類、ルーティング、JSON 生成、軽量 subagent に適しています。2026 年 7 月時点の価格は入力 100 万 tokens あたり 0.30 ドル、出力 100 万 tokens あたり 2.50 ドルです。既定の thinking_levelminimal で、複雑なツール処理では mediumhigh を測定できます。

現行の Computer Use 文書は Flash-Lite を対応モデルに含めていますが、機能表や地域展開には更新差があり得ます。本番前に実プロジェクトで利用可否を確認してください。

新機能 5:防御専用の Flash Cyber

Gemini 3.5 Flash Cyber は、脆弱性の発見、検証、修正を支援する軽量セキュリティモデルです。Google は CodeMender と組み合わせて紹介しており、一般的なチャットやコーディングモデルの代替ではありません。

すべての Gemini API プロジェクトで使える汎用モデル ID と決めつけないでください。脆弱性検証は許可されたリポジトリ、テスト環境、資産だけに限定します。

Gemini Spark はアプリの Agent

Gemini Spark は Gemini アプリで発表された継続実行型の個人 Agent です。ユーザーの許可の下で、調査、計画、長時間作業を進めます。

Spark は製品レイヤーの機能であり、3.5 Pro のコードネームではありません。基盤モデルと、Gemini アプリ、AI Mode、Antigravity、Gemini API、企業 Agent プラットフォームのどれを使うかは別々に整理する必要があります。

Gemini 3.5 Pro はまだ一般提供されていない

Google は 5 月から 3.5 Pro の開発を明らかにしていますが、7 月 21 日時点でもパートナーテスト中です。Google DeepMind のモデルページも「3.5 Pro coming soon」と表示しています。

3.5 Pro が開発中であることは確認できますが、全開発者向けの安定モデル ID や GA 仕様はありません。Cappuccino、リークされたスコア、確定日をガイドに残すべきではありません。

現在のモデル選択

要件 最初に検討するモデル
新しい複雑 Agent、コーディング、マルチモーダル Gemini 3.6 Flash と比較
既存の 3.5 Flash アプリ 安定版を維持して回帰テストし、3.6 への移行を判断
大量抽出、分類、ルーティング、subagent Gemini 3.5 Flash-Lite
ブラウザー、モバイル、デスクトップ操作 現行文書の Computer Use 対応モデルをサンドボックスで利用
防御的な脆弱性研究 Flash Cyber と CodeMender の提供範囲を確認
3.5 Pro が必要 公式 GA を待つ

モデル ID、API、thinking level、ツール、入力長、出力 tokens、成功率、P95 遅延、タスク単価を記録してください。

開発者向け移行メモ

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from google import genai

client = genai.Client()
response = client.models.generate_content(
    model="gemini-3.5-flash-lite",
    contents="Extract the invoice fields and return valid JSON.",
)
print(response.text)

タスク別に thinking_level を設定し、最新モデルでは廃止された temperaturetop_ptop_k を整理します。prefilled model turn で会話を終えず、Function Calling、Computer Use、コード実行を別々に検証し、本番では明示的な安定モデル ID を固定してください。

移行前後で同じ評価セットを使い、項目精度、ツール呼び出し回数、出力長、遅延、費用を比較します。HTTP 200 だけでは移行成功とは言えません。

運用上の境界

長時間タスクは途中でずれ、Computer Use は誤った操作を選び、マルチモーダル解析は詳細を見落とす可能性があります。外部書き込みの承認、ツールログ、隔離アカウント、プロンプトインジェクションと権限検査、回帰セット、ロールバック計画を用意してください。

Gemini 3.5 の重要な変化は、Flash 系列が Agent 実行、マルチモーダル処理、UI 操作を担うようになったことです。未公開の Pro コードネームではありません。

公式資料